『ウルフ研究』書式ガイド
MLA Handbook第6版による)

書式について間違えやすい箇所を集めました。論文作成の参考にしてください。

A.引用に関する要点

Punctuation

1)引用符とカンマ ⇒カンマは引用符の中に収める。

“The house is ours,” she wrote down in her diary, … 

 

2)注の数字の入れ方(句読点の前か後か?)。 ⇒に。

  例)執筆上演した[1] 1922年に〜、 

  例)Technological … problems.[2]

   例)試みてきたが[3] たとえその試みが成功したとしても、

 

Documentation

1)句読点や引用符との位置関係

本文中の引用

i.(引証資料情報)は句読点の前に置く。

例)・無視しないとするなら(高井 60)、いまさら、狭義の階級的差異によってのみウルフのエッセイ・テクストとその様々なサブテクストを読むことで、すますわけにもいかない(Hynes 35-36)  

 

ii. 引用符がある場合は、引用符の後に(引証資料情報)を置く。句読点はその後。

  (本来引用文に「 〜 のだ。」 “〜 .”というような句読点があっても、そこにはつけない。ただし!や?は省略しない。)

  例) ・「われわれは〜によって生きているというの(JR 155)

Clarissa feels the air “cool as a vault” (31), and the death image …

“…  For interruptions there will always be” (Room 78).

“… What a plunge!” (3).
※ (引証資料情報)として、二つ以上の頁数を示す場合、頁数はカンマで区切る。
例)・「シェイクスピアの妹」
(AROO 48, 53, 108)
Brian Taves suggests some interesting conclusions regarding the philosophy and politics of the adventure film (153-54, 171).

 

 

 

Block quotation longer quotation)の場合

引用文の後で、かつ句読点の後に、引証資料情報を置く。

例) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜 友だちなどではない(近藤 130)  

 

2)複数巻の書物を引用する場合、その巻数の書き方:

タイトルの省略形斜字体  巻数[全角]  [コロン]  頁数

例)ウルフのエッセイ集の第3巻501頁⇒(E 3: 501

例)ウルフの日記第2巻の282-83頁⇒(D 2: 282-83)

例)手紙第1巻の286頁の引用の場合。⇒ (L 1: 286) 

 

3)同一著者の複数の書物に言及する場合:著者姓『タイトル』 頁数

例)山田花子氏の『ウルフのモダニズムに関する3つのエッセイ』(2000年)と『ジョイス』(1999年)の2つの著作に言及する場合。⇒(山田『ジョイス』36)(山田『ウルフ』 40

同様に (Frye, Vision 85) ※短いタイトルはそのまま記すが、長いタイトルは適宜短縮。

 

4)新聞や雑誌の表記:

新聞 New York Times 3 Apr. 1998 

新聞の頁数を示す場合 New York Times 3 Apr. 199811. (新聞11)

一般雑誌 Newsweek 7 Mar. 1994: 26-7.  (19943月号7日号、26-27頁)

専門雑誌 )⇒Partisan Review 57 (1990): 493-94 1990年、57巻、493-94

専門雑誌巻、号The Drama Review 31.41988):40-41. 1988314号、40-41頁)

 

B.引証資料、参考文献の書式について(英語)

1)基本書式: 著者姓, . タイトル. 出版地:出版社, 出版年.

Levenback, Karen. Virginia Woolf and the Great War.  New York: Syracuse UP, 1999.

 

※ミドルネームなどイニシアルが文末にある場合、イニシアルのピリオドは文末のピリオドを兼ねる

※「出版地:出版社, 出版年」⇒以下「出版情報」とする。

例)Booth, Howard J.  Modernism and Empire.  Manchester: Manchester UP, 2000.

 

2)共著(複数の著者)による書物: 著者姓, , and 共著者名前 . タイトル. 出版情報.  (※ 最初の著者の後はカンマしてandをつける)

Richardson, Angelique, and Chris Willis. The New Woman in Fiction and in Fact. London: Palgrave, 2001.

 

3)編者による書物:編者姓, , ed. タイトル. 出版情報.

Scott, Bonnie Kime, ed. The Gender of Modernism: A Critical Anthology.  Bloomington: Indiana UP, 1990.

共編(複数の編者)による書物: 編者姓, , and 共編者名前 , eds. タイトル. 出版情報.

例)Grewal, Inderpal, and Caren Kaplan, eds. Scattered Hegemonies: Postmodernity and Transnational Feminist Practices. Minneapolis:U of Minnesota P, 1994.

 

4)著書の他に編者がいる場合:著者姓, . タイトル. Ed. 編者. 出版情報.

Woolf, VirginiaThree Guineas. 1938. Ed. Naomi Black. Oxford: Blackwell, 2001.

----------.  The Letters of Virginia Woolf. Vol. 1, 1888-1912. Eds. Nigel Nicolson and Joanne Trautmann.  London: Chatto & Windus, 1980.

 

5)短編集、エッセイ集などでその一つの作品を資料として挙げる場合:著者姓, . 短編集、エッセイのタイトル.” 著書のタイトル. 出版情報. 頁数.

Woolf, Virginia. How Should One Read a Book? The Common Reader: Second Series.New York: Harcourt, 1932. 234-45.

※頁数は、「出版情報 ピリオド 頁数 ピリオド」の順で記載。(コロンではない)

 

6)論文のアンソロジーの場合:論文の執筆者. 論文タイトル. 本のタイトル. Ed. 本の編者名. 出版情報. 頁数. 

   例) Smith-Rosenberg, Carroll. “Discourses of Sexuality and Subjectivity: The New Woman, 1870-1936.” Hidden From History: Reclaiming the Gay and Lesbian Past. Ed. Martin Duberman, Martha Vicinus and George Chauncey, Jr. New York: Penguin,1990. 264-280.

 

この場合の”Ed.” “edited by” の意味。

 

7)複数の著者によるアンソロジーのうちの一つの作品を資料として挙げる場合:著者姓, . 作品のタイトル.” アンソロジーのタイトル.  By  著者and 共著者. 出版情報. 頁数.

Jameson, Fredric. “Modernism and Imperialism.” Nationalism, Colonialism, and Literature. By Terry Eagleton, Fredric Jameson and Edward W. Said.  Minneapolis and London: U of Minnesota P, 1990. 43-66.

 

 

8)インターネットからとった資料:情報の最後にサイトのURLを掲載。 〈 〉.

Pearson, Nels C. “The Savage North Tarrying with the Primitive in To the Lighthouse.”  Across … International Virginia Woolf Conference.  Eds. Mery Pawlowski and Eileen Barrett.  Center for Virginia Woolf Studies at CSU Bakersfield, 2003 <http://www.csub.edu/woolf_center/publications: 166-176>. 

 

9)初版の年を入れる場合:タイトル. 初版の年号 ピリオド 出版情報.

 )−−−.The Years. 1937. London: Hogarth, 1990.  (コロンではない)

 

10)巻数を記載する場合:編者の後に。

   例)−−−.The Diary of Virginia Woolf.  Ed. Anne Oliver Bell.  5 vols.  New York: Harcourt, 1977- 84.  

 

※ただし、特定の巻のみ記載する場合:タイトルの後に。

   例)−−−.The Letters of Virginia Woolf. Vol. 1, 1888-1912. Eds. Nigel Nicolson and Joanne Trautmann.  London: Chatto & Windus, 1980.

 

11)の記載:編者がいる場合は、その後に。

例)Chaucer, Geoffrey.  The Works of Geoffrey Chaucer.  Ed. F.W. Robinson. 2nd ed. Boston: Houghton, 1957.


1 2) タイトルの中のタイトルはローマン体(イタリックではない普通の直立字体)とする。

Kelley, Alice van Buren. To the Lighthouse: The Marriage of Life and Art. Boston: Twayne Publishers, 1987.

 

C.引証資料、参考文献の書式について(日本語)

 

1)基本書式:著者名『書名』出版社、出版年。 (句読点、その有無に留意)

   例) 柄谷行人『定本〜波書店2004

※書籍の中の論文の頁数を示す場合⇒ 著者名「論文名」『書名』編者名、出版社、出版年、頁数。


例)川本格子「ジンメルの女性論――もうひとつの生のあり方」『ジンメル社会学を学ぶ人のために』早川洋行・菅野仁編、社会思想社、2008年153-171

 

2)翻訳基本書式: 著者姓、名『書名』訳者、出版社、出版年。

   例) ブルデューピエール『ディスタンクシオン』石井洋二郎訳藤原書店1990

 

共訳者がいる場合⇒ナカグロで結ぶ。

   例) 白井厚白井暁子訳  

  

オリジナルと翻訳の両方を記載する場合⇒ オリジナルの文献に続けて日本語文献を以下の順序で記載する。

オリジナル文献. 『翻訳タイトル』訳者名、出版社、出版年。

例)Hoggart, Richard. The Uses of Literacy. New Brunswick, N.J.: Transaction Publishers, 1998. 『読み書き能力の効用』香三郎訳、晶文社1974

 

3)雑誌論文の書式

 著者氏名「論文タイトル」『雑誌タイトル』巻、号(出版年):頁数。

例)山田太郎グローバライゼーション」『ヴァージニア・ウルフ研究』第22 (2005): 42-55

 

D.その他の留意事項

1)タイトル、サブタイトル

a)英語:メイン・タイトルとサブタイトルの間は「」で区切る。

Virginia Woolf: Our Contemporary

 

b)日本語:メイン・タイトルとサブタイトルの間は「――」で区切る。タイトルの終わりには「――」を入れない。

例)モダニズム的<文化>の()定義のための覚書――大戦間の有機体論的美学=政治学をめぐって

 

2) 引証資料における欧文文献日本語文献は、混在させず、グループ分けして記載する。英語文献の後に日本語文献の順。日本語文献は著者の「あいうえお順」で。

ただし、オリジナルと翻訳の両方を記載する場合のみは一緒に。⇒C.2)翻訳基本書式参照

 

3)数字について:半角使用。

英文、日本語文、どちらも数字の表記は半角で。

 



[1] 坪内逍遥『熱海ページェント』大正14年(1925)『わがページェント劇』に収録されていることから実際の上演はそれ以前であろうと思われる。

[2]  For a sampling of … and Aiston.

[3]  たとえばScottをみよ